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目的・ジャンル・個性

1.日本の浪漫主義を世界にあまねくする

日本の文学研究には学際的要素が十分ではない。特に日本の浪漫主義文芸活動の研究にはその要素を無視する傾向がある。歌人の行状や個性だけに絞るのは偏りが過ぎる。日本の浪漫活動は西欧のロマンチシズムよりはるかに情熱的だが、それは明治大正期の夥しい西欧文明の氾濫と価値観の多様化と無関係ではない。脱亜入欧の風潮のもと日本固有の人間愛の称揚があり、奇しくも万葉の昔に視点を戻したかのようだが、その主潮は、それ以後に文学史の首座を占めた初期自然主義リアリズムより、遥かに現代人の心を打つ。ポストモダンの現在、当学会はそれを踏査し研究対象として新浪漫主義の興隆を図りたい。

2.浪漫が擁する広い芸術ジャンルを育てる

現在、日本の浪漫界はサルマガンディ(ごった煮)の時代である。生活のレベルでも、生死、情愛、愛憎、無常、自由と尊厳など、人間本来の課題が氾濫するがジャンルは、映像、音楽、絵画、建築、舞台芸術、カラオケ、ガーデニングにまで広がり、浪漫的世界観は短歌界にとどまらず自由奔放だ。想念と視覚と聴覚のダイナミティを包含し情報新時代に対応するインパクトのある作品をこの学会を通じて産むトライアルゲームとなるか。人間存在のなんたるや。AIには望んでも得られない人間の人間たる意義を根底から問い直しフェイクな現象で彩られた時代に本物をおくろう。浪漫人は真正な情熱をもってテーマに取り組もう。

3.International Goodwill

Kindly consider this academy is worldwide and always wants to keep peace, mutual understanding and worm-hearted individual relationships. And here is hoping you will send us poems, tanka, haiku with hearty sincerity and benevolent consideration. We do believe human passion should be superior to AI mentality and international negotiation should be done with thoughtful compassion rather than inconsiderate win-win relationships. Devotion with each other is much more precious than monetary give-and-takes.

4.タイムカプセルの開封は500年後(策定中

むろん、国会図書館はじめ主要大学図書館には全巻出来次第収蔵依頼するが、500年後、それがアーカイブズとして遺るかどうか知る由もない。そこで我々は別にタイムカプセルを用意し、この全3巻本と付帯的遺物を収蔵して、500年後に開封するよう示唆することを考慮中。当学会では、時代を反映した歌を500年先まで保存するタイムカプセルを志向する。秀歌はもちろん、評論も短編長編の秀作も500年後に開帳し未来人たちに呈する。単刀直入な質問を付けて。500年先の諸君よ、君らの時代にもう戦争は皆無か? 進歩したのは科学文明だけが先行し、人間考察は相変わらず堂々巡りで戦争を前提に一触即発の蛮行ばかりか? 文字文化は過去人とは交信できぬが未来人とは交流可能。彼らがまだ戦争のために愚かな核兵器を振りかざしているなら共に嘆こう。500年後の政治家たちを叱りつけよう。

5.本部は日本近代史のふるさとに

本学会は心底平和を愛し人命を尊び世界の友好国である日本から発信する。20世紀の国家主義とは 異なり、21世紀の日本国は平和主義では世界の模範。そのシンボルである御用邸のまち葉山町に本部を設置、まさに浪漫界の気風の発祥地からの発信となる。葉山は白砂青松の海岸に御用邸はじめ明治大正の政界文化人の別荘が林立していた。大いなる苦難の時代に葉山は歴史の舞台そのものであった。戦後日本が生まれ変わったように、葉山町も、神奈川県立近代美術館をはじめ、日本画家山口蓬春の記念館、元御用邸敷地内の一景庵や潮見邸など、日本の近現代史の情熱がここに集結の感がある。今では東伏見宮邸の洋館を借りて定例会をするのも可能だし近隣には古都鎌倉がある。小津安二郎の映画の風景が今も生きる。だから地方在住の会員を招いて一景庵でお茶事をやり富士山遠望の夕陽のホテルで会食もOK。鉄幹晶子の「明星の家」も夢でなくなる。浪漫の発信は会員の集まる地でもある。

6.浪漫の名に相応しいイベントを

筆者がNY州立大学で教鞭を執っていた1970年代、ダウンタウンではしばしばpoetry readingがあった。筆者が英詩を作って読むと、文芸評論家のフィードラーが桃太郎を入れた詩を詠み、教室では万葉、新古今、鉄幹、晶子、茂吉、白秋を講じていた筆者は、ビートの詩歌と並列して時代を超克した浪漫詩を朗読。あれから半世紀。アメリカも日本も安泰だけれども、近隣諸国は混とんだらけ。その有様は19世紀半ばのアメリカさながらに、浪漫は窒息寸前だ。ソロウが嘆いた黒煙蒸気の暮らしが今もって現実だ。だがリアリズムの目で言う神は死んでも心の浪漫は死ぬものか。死なせてはならぬ。語らいもやろう、朗読もやろう、歌会も演劇も。

7.昇進制度について

学会と名の付く以上、応募レジュメや作品審査のcriteriaは存在する。その水準以上のオリジナル作品や研究論文は高く評価され、その継続的努力をもって、当学会では准教授、教授職の称号を授与する。審査員はすでに文科省の大学院設置基準において教授資格を有する者ばかりであり、若手中堅にとって励みとなる制度として確立できる体制にある。創作部門でも、宗匠から称号を与える制度を設け、これも茶道や生け花の流派で宗家家元や教授職を得た有資格者による偏見無き制度として確立させたい。アートや学術の世界で権威主義、一部審査員の主観、バイアス、商業主義は断じて排するべきである。

8.基本から入りたい人のために

誰でも始めは素人である。文の良し悪しも判らないから、悪文を上手いと思ったりしている。そんな文の連なりではいくら書いても採用にならない。小説なら欠点も教えてくれないで原稿を返される。どこが悪いのですかと問えども答えなし。なぜなら一行一行、みな使い物にならないからだ。本学会ではこんな人たちのために徹底的に指導する会員制度を設けている。懇切丁寧に指導するわけである。また修士論文でも書こうかというビギナーのためには、テーマやプロットの立て方や先行研究の調べ方、参考文献の選び方まで指導する。大学院生でもそんな基本が出来てないと、提出後に不合格といわれて1年、また1年とだぶる。本学会の専攻を選んで申込なさい。英語の短詩形で世界に。英詩の書き方、文法との関連、行換えの技法、省略や適語の選択法につき、密度を上げ方につき理解が得られる。英語の短詩形で世界に。英詩の書き方、文法との関連、行換えの技法、省略や適語の選択法についても、密度を上げ方につき理解が得られるようにしたい。JR横浜駅「そごう百貨店」9Fにある「読売新聞日テレ文化センター」で登録してください。(担当:佐野氏)

9.夢を忘れず周りの努力家から良き刺激を受けて

入会審査から作品掲載や研究業績の内容チェックまで、この学会では常にレフェリー付きなので、これから研究職に就く場合にはそのセンスを養うことができる。また歌会、楽しい旅、食事会、朗読会でしみじみ人生を語り合える心の友人が得られるし、詩歌に曲づけも可能で作詞家としての道も拓けている。自作の詩歌や小説が500年後に開封するタイムカプセルの楽しみも皆さんの理解と協力で成り立ちます。ご自分の作品も秀作ならばその扱いを受けるチャンスは必ず来る。君の努力はステップ方式で評価されるからやがてシビアな段階を経て達成できる日は明るい。

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